夏の疲れで色々と体調を崩してしまい、少し涼しくなってきて出かけやすくなった秋頃に、温泉にゆっくり浸かって傷を治したり、体調を回復させたりしようという方も多いことでしょう。
しかし、湯治にも相性があり、入り方や相性を間違えてしまうと、かえって症状が悪化してしまう場合があります。
湯治自体はとても素晴らしいものです。せっかくですから、自身の症状に合ったお湯に浸かりたいものです。
この記事では、湯治でよくある間違いについて触れていこうと思います。
湯治でアトピーが悪化?!間違った入浴について
湯治のイメージといえば、熱いお湯にしっかり浸かってよく汗をかき、体の中の悪いものを出して、体に良い温泉を吸収して、お肌がツルツルスベスベの良い状態になる。と思われている方が意外に多いように思います。
かく言う私も、昔はこんな風に考えていました。
温泉には、ゆっくり入るための「ぬるいお湯」のものや、入浴と休憩を繰り返して入る「熱いお湯」など、温度だけでもいくつか種類があります。
さらに、お湯のタイプが、ナトリウムなどが多い塩素温泉のように体温上昇や血流促進、様々な病気に効くとされているものから、ミネラルなどの栄養バランスが肌の負担になりにくいものなど、様々な種類があります。
前者のお湯のように、刺激を与えて肌を強くするタイプのお湯で、温度も高めの場合には、少し入浴しているだけでも血流が一気に促進されます。これは、健康な方には「たまらん」と言う刺激にもなるのですが、アトピー患者の場合には酷い痒みの原因になってしまうこともあります。
熱いお湯で、心臓バクバクになりながら大量の汗をかくと、普段運動をしていない方の場合、ベタベタした汗をかいて、悪いものを排出している感覚になりますが、これは毛穴に溜まっているミネラル成分が混ざった汗なだけなので、悪いものを排出している訳ではありません。
ぬる目のお湯で長時間血流の良い状態を維持した方が、内臓器への負担も少ないだけではなく、血流促進による細胞活性化効果も大いに受けることができるため、圧倒的にオススメです。
アトピーの方の場合には「ぬるいお湯」「肌への負担の少ない種類」の温泉に入るようにすると良いです。
温泉には石鹸やシャンプーが置いてあり、入浴前にそれらを浸かって体を洗う方が多いのですが、アトピー性皮膚炎のため肌が弱っている時には、これらの洗剤も肌への大きな負担になります。
かけ湯で汚れを洗い流し、その後に10分ほど入浴すると汚れや古い角質がふやけてくるので、その状態で軽く手で体を洗うようにすれば汚れは粗方落とせてしまいます。
湯治のアトピーにも良い効果とは?
湯治が様々な病気に良い理由は、細かく挙げると切りがありません。しかし、大まかに分けると温度や成分、様々な要因による「血流促進」の効果があること。そして、血流や温泉のミネラル成分により「皮膚細胞の再生促進」の効果があることです。
実はこれだけではなくて、これらの治癒効果を最大限に高めてくれる、開放的な環境による「リラックス効果」も重要な要素の一つでしょう。
子供のアトピーは食事による栄養の偏りが大きな原因ですが、大人のアトピーの場合には、仕事や人間関係のストレスの方が原因になってしまうことが多いです。
血行促進や皮膚の再生促進を心がけてはみても、生活のストレスを思い出して体のあちこちに無駄な力が入っていたり、寝ている間に歯ぎしりをしているような状況では、治るものも治りません。
ぬる目のお湯に時間を忘れてゆっくり浸かる。たったこれだけの動作が、生活の焦りを忘れさせてくれて、体の再生力を高めてくれるのです。
その他、こういった温泉での食事には、温泉街のミネラル成分豊富な水源を利用していて、その水分を吸収して育った野菜や、飲み物からもミネラルを吸収できるため、普段よりも栄養の吸収が良かったりすることもあります。
アトピーに湯治はおすすめ
自身に負担にならないようなお湯を選び、リラックスして入浴する。これはアトピーにとてもオススメの行為です。
湯治はアトピーに効果的ですが、あまりに遠方だったりすると気軽に足を運ぶことができません。基本的には、日帰りで行けるくらいのところがオススメだったりします。
特に、ストレスの原因が生活環境や職場環境のストレスの場合、普段の生活に戻ったらまたアトピーが再発してしまった、という話は色々な方から、毎日のように聞く話です。
このストレスからちょっと逃げ出したい時、すぐに行ける場所というのも、大切な要素だと思います。
まとめ
アトピーが悪化する湯治
・お湯が熱すぎる
・お湯の刺激が強い
・体を洗いすぎている
温泉による治癒は、血流促進やお湯の効能により皮膚の再生力を高めているためです。お湯質や体の洗い方が肌への負担となり、痒みに繋がってしまえば、皮膚の再生よりもダメージが重なって、悪化してしまうこともあるでしょう。現状に合わせたお湯選びも湯治の重要な要素なので、合っていないお湯を「我慢を続ければ良くなるはず」と誤解してしまわないように気をつけましょう。