お彼岸にはお墓参りに行くのが常識のようになっていますね。
しかしながら、どうしても外せない予定があったりして、さらに実家が遠かったりすると、帰れるよう都合がつくのはお彼岸が過ぎてから、なんてこともあるでしょう。
普段あまりないことなので「日付を過ぎてしまっても大丈夫?」といった悩みも出てくると思います。
この記事では、お彼岸の日程や内容について、そしてお彼岸の日程を過ぎてしまってからのお墓参りは大丈夫かについて紹介していきます。
1章:お彼岸に墓参りをする由来
2章:お彼岸の墓参りはいつまでに行くべき?
3章:お彼岸に仏壇にお供えする花は?
お彼岸にお墓参りをする由来
いきなりですが、仏教の起源であるインドにはお墓が殆どありません。一般的には土葬ではなくて、火葬やガンジス川へ流すような供養をするのです。そのため、お墓参りというものはありません。
お彼岸にお墓参りをする由来については、こちらの過去記事にて紹介しています。
『過去記事』お彼岸の墓参りは仏滅でもOK?由来や理由について
お墓参りの文化は中国から伝わったものです。インドからの伝来した仏教にも、中国を通して伝えられているために中国の文化や風習が混ざって伝えられているものや、日本の元々の風習が混ざっているものが数多くあります。
お彼岸の由来について
それでは、お彼岸とは本来どういった行事なのかについて紹介していこうと思います。
お彼岸は春と秋にありますよね。春分と秋分の日には太陽が真東から昇り真西へと沈みます。
仏教の考え方では、極楽浄土は夕日が茜色に染まる西方の遥か彼方にあると考えられているため、真西へと太陽が沈んでいく春分と秋分のことを「極楽浄土が最も現世に近い日」であるとし、仏様の世界を表す「彼岸(ひがん)」と呼ぶようになりました。ちなみに、私たちの住む世界のことは「此岸(しがん)」と呼びます。
このことから、仏様の世界である彼岸に到達しやすい日と考えられて、お彼岸の日には仏教の悟りを開くための修行の効果が特別高いと信じられて、普段は仏教の修行をしていない人でも、仏教の修行をするようになりました。
仏教の修行について
お彼岸に行われる修行は一般的に6種類あります。この6種類の修行を「六波羅蜜(ろくはらみつ)」または「六度彼岸(ろくどひがん)」と呼びます。
1.布施波羅蜜 人々へ施しをすること
2.持戒波羅蜜 戒律を守ること
3.忍辱波羅蜜 不平不満などを言わず耐え忍ぶこと
4.精進波羅蜜 努力を怠らないこと
5.禅定波羅蜜 集中し、散乱する心を安定させること
6.智慧波羅蜜 煩悩を断ち切り、真実を悟る智慧を得ること
お彼岸の日程について
お彼岸は春と秋の2回あります。春は「春分の日」を、秋は「秋分の日」を中日として、前後3日間を入れて合計7日間が「お彼岸」の期間です。
春分の日と秋分の日は毎年変わるため、1年前の2月にある閣議を迎えるまで、詳しい日程は定まりません。おおよそですが、春分の日が3月20~21日、秋分の日が9月22~23日になります。
お彼岸の墓参りはいつまでに行くべき?
というワケで、お彼岸は仏教の修行を積むためのものなのです。
心を落ち着けて集中する修行や規律を守る修行の一環として、お墓参りをするのも良いですが、普段の日常生活の中でも忙しさで焦ってしまう心を落ち着けて集中したり、ついつい無視しがちなルールを守るようにしたりするだけでも、十分修行といえるでしょう。
つまり、お墓参りについてはいつまでに行くべきというものはありません。祖先を大切に思う気持ちや、行ける時にお墓参りに行くようにしていれば全く問題ありません。
お墓参りに行くべき日があるとすれば「お盆」です。
日本で一般的にお盆と考えられているお盆祭りの期間には、祖先の霊は家に帰ってきているためお墓参りの必要はないと言われていますが、その前には祖先の霊をお迎えする「迎え盆」が、その後には祖先の霊をお送りする「送り盆」があります。
日本の仏教の考え方では祖先の霊はお墓にいることになっているので、この2つのタイミングには、できるだけお墓参りに行くようにしたいですね。
お彼岸に仏壇にお供えする花は?
皆様は、お彼岸に仏壇やお墓の花瓶にお供えする「花」について悩んだことはありませんか?私は花についてはあまり詳しくなくて、一度大きな間違いをしそうになったことがあります。
「彼岸花」と呼ばれる花があります。リコリスや曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という花です。
こちらはwikipediaの「彼岸花」のページへのリンクです。よければご覧下さいませ。
『参考リンク』https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒガンバナ
彼岸花という名前がついているので「お彼岸にお供えする花なのかな?」と思ったら違っていました。
彼岸花はお彼岸の時期でもある9月中句に花を咲かせます。この花の球根には毒があり、土葬した死体を動物が暴いてしまったりしないように、毒草である彼岸花を墓の周りに植えるようになりました。このことから、墓の周りに植えられる彼岸花は「死人花」とも呼ばれています。
名前の通り彼岸花(死人花)はあまり縁起の良いものとはされておらず、お供えする花では無いようです。
お彼岸にお供えする花には特に決まりはありません。
祖先の霊のための花なので棘のあるバラなどは避けることと、祝い事ではないため白や青を中心としたものがオススメです。
ただし、故人の好きだった花があるのならば、優先的にその花をお供えするのが良いでしょう。
まとめ
お彼岸は春分の日と秋分の日を中日として、前後3日間ずつの計7日間です。
お彼岸の日付を過ぎてしまっても、お墓参りには全く問題ありません。
お彼岸の花に彼岸花はNGです。故人の好きだった花や、派手過ぎない綺麗な花をお供えすると良いでしょう。