ダイエットを頑張っている方からいただく質問で、特に多いのは肌についての悩みです。
多くの方に共通しているのは、ダイエットによる食事制限で、必要な栄養素まで減らしてしまっていることです。
かといって普通に食事をしていると、ついつい脂っこいものや、甘いものを食べ過ぎてしまうことも多いです。中には甘いものを食べ過ぎて、本来甘いはずの白米やパンの甘みを感じ取れない方もいますが(苦笑)
この記事では、そんなダイエット中の食事に悩んでいる人に向けて、プロテインについて簡単に紹介していきます。
1章:プロテインとステロイドのよくある勘違い
2章:ダイエットの肌トラブルにはプロテイン!
3章:プロテインによるダイエットの注意点とは?!
プロテインとステロイドのよくある勘違い
日本ではまだまだプロテインについての誤解が多く、老若男女問わず
「プロテインってマッチョになる薬でしょ」
「プロテインって薬物検査に引っかかるやつ?」
「プロテインって体に悪いやつでしょ」
といった間違いに出会います。
恐らく、マッチョになるための「危険な薬」と思っている人は、プロテインとステロイドを混同しています。そして、薬物検査にかかる「いけない薬」と思っている人はドーピングと混同しているのでしょう。
これらについても簡単に説明しておくと、「ステロイド」は男性ホルモンを異常に高めたりして、付き過ぎた筋肉が血管をふさいだり、反動で男性ホルモンが出なくなってしまったりと、使い方によっては危険な薬です。このような薬が禁止されている試合などでステロイドなどを使っていることを「ドーピング」と呼びます。
プロテインについての基礎知識
よく誤解されてしまう「プロテイン」は、たんぱく質を多くとることができるものです。たんぱく質は肉や魚からとれる栄養素で、筋肉や肌、体の細胞などの材料になるものです。
例えば、ヨーグルトを数日置いておくと白っぽい液体が出てきます。あの液体は「ホエイ」と呼ばれるものです。ヨーグルトは乳酸菌によって発酵し、凝縮されたクリーミーなヨーグルトと、ホエイと呼ばれるたんぱく質に分かれます。
牛乳を脂肪の塊にするとチーズにもなります。発酵のさせ方で食感や味が変わります。その過程で出てくるものがホエイなのです。
ホエイには脂肪が含まれていないため、味ははっきり言って美味しくありません。しかしながら、ホエイは脂質の少ない良質なたんぱく質源です。
このホエイを粉状にして栄誉バランスを調整してものが、有名な「ホエイプロテイン」です。
イメージ的には、ステーキから脂身を取り去ったものがプロテインに近いでしょう。
ダイエットの肌トラブルにはプロテイン!
糖質と脂質の両方が合わさることで脂肪になります。ということは、どちらか片方が適量に抑えられれば太ることはありません。
良質な赤身肉がダイエットに良いとか、糖質を制限すれば肉をいくら食べても太らないとかいうのは、糖質か脂質のどちらかが少ない食事だからです。
肉にはたんぱく質以外にも肉汁といった脂があります。肉は太るというイメージは、この肉汁のせいです。
もちろん肉を食べなければ痩せるのですが、これでは、たんぱく質も不足しやすく、肌が荒れてしまったり、筋肉が減って基礎代謝が落ちてしまいます。
「脂質は控えたいけれど、たんぱく質はとりたい!」
そんな願いを叶えてくれるものがプロテインです。
肌荒れの回復に重要なものは2つあります。1つ目は荒れた肌を再生するための「たんぱく質」です。2つ目は肌のバリアとなる皮脂を作るための「脂質」です。
後者の皮脂バリアは、ある程度ならば保湿クリームなどで補えますが、前者のたんぱく質は食事などで摂らなければなりません。
プロテインはこの必要不可欠なたんぱく質を効率よくとることができるため、肌荒れにもおすすめなのです。
プロテインによるダイエットの注意点とは?!
そんなプロテインにもデメリットはあります。
プロテインはたんぱく質に特化したもので、ビタミンやミネラルが不足しやすいというデメリットがあります。
プロテインはたんぱく質なので、皮膚や髪、筋肉として利用するためには、一度アミノ酸に分解し作り変えなければなりません。この分解と作り変えに必要となるものがビタミンとミネラルです。
基本的に1シーズンや半年間のダイエットや筋トレならば問題ありません。
ただし、筋肉をつけるためにプロテインにばかり頼ってしまうとか、糖質や脂質を減らすために1食をプロテインに置き換えるプロテインダイエットとかを長期間続けてしまうと、たんぱく質を分解するための肝臓や、余った栄養を排出するための腎臓を酷使し過ぎてしまうのです。
これらの臓器が悪くなってしまうと、食べ物の栄養を分解吸収することも、余った栄養を排出することも困難になるため、栄養豊富で美味しいものを食べられなくなります。
食べた時にも自身でうまく排出できないために、血尿になってしまったり、むくんでしまったりします。
ちなみに腎臓の機能回復にはビタミンB6が良いです。ビタミンB6が多い食材はレバーや魚の赤身などです。これらの食べ物は吸収や排出の負担が少ないたんぱく質源です。
まとめ
プロテインとステロイドは全くの別物です。
・ステロイドはホルモンバランスを変える「薬」
・プロテインはたんぱく質をとれる「粉の食事」
プロテインは脂質の少ない、ダイエットにおすすめのたんぱく質源です。
ダイエット中に肌や髪の毛の状態をよく保つためにも有効です。
ただし、たんぱく質のとり過ぎは肝臓や腎臓などの消化器官に負担をかけてしまうため、長くても半年間ほどに留めておくことが良いでしょう。
半年間プロテインを利用してダイエットや筋トレをしたら、もう半年はプロテインの使用を控えて、レバーや魚の赤身肉など消化器官にやさしいものを食べるようにしましょう。