ダイエットなどで運動がおっくうな人に案外多いのは、服装が運動向きではないということです。
運動をしようと思っていたのに、運動着に着替えたら急にやる気がなくなった。という経験はありませんか?
この原因の一つが服装です。
運動着と言えばジャージなどを思い浮かべる人が多いですが、全ての運動においてジャージが最適とは言い切れません。
この記事では、私の体験を踏まえながら、運動に適した服について紹介していきます。
1章:ダイエットは服装の運動のしやすさが大切
2章:服の繊維のせいでかゆい、アレルギーになることも?!
3章:運動と服の素材の相性について
ダイエットは服装の運動のしやすさが大切
「食べ過ぎて太ってしまったので、ダイエットを始めました」
ダイエットをスタートする人の9割がこういう理由です。
そして、痩せていた頃の服のまま運動をしたりするワケですが、服がきつくて動きにくそうな人もちらほら見かけます。
もともと筋肉質で引き締まっていた人が、筋肉が減って脂肪に変わっていき、さらに脂肪が増えて体重が増えた場合には、筋肉よりも脂肪のほうが膨らみやすいために、体のサイズが思ったよりも大きくなっていることがあります。
そのほかにも、脂汗をかくようになると水分が蒸発しにくくなるため、体が冷めにくくなり汗っかきになったりします。
そんなときには、今まで気にならなかった、服の吸水性や揮発性なども不満が生まれることでしょう。
服の材質によって、人の体は様々な影響を受けます。
こちらの記事は乾燥肌の原因の一つに服装が関係していることを紹介した記事です。よければご覧くださいませ。
『過去記事』静電気体質は乾燥肌になりやすい?服装も原因の一つ!?
材質だけでも
・静電気の起きやすさ
・汗の吸収性や揮発性
・放熱の性能
・肌触り
など様々なものが変わります。さらにサイズや形状によって動きやすさや体幹温度も変化するので、服によって運動の快適さは大きく変わるのです。
服の繊維のせいでかゆい、アレルギーになることも?!
乾燥肌がやや酷くなってくると、基本的にかゆみに悩まされます。
肌へのダメージによって皮膚のバリアが壊されてしまうと、ちょっとした刺激も強く感じてしまうため、かゆみに感じてしまうのです。
そして肌を掻きむしってしまうと、さらに皮膚が荒れてしまい、荒れて表面積が増えて炎症で熱を持った皮膚には黄色ブドウ球菌などが増殖しすぎて、余計にかゆくなってしまいます。
最初は静電気の刺激にたいして何も感じなかったとしても、静電気によって少しずつ肌がダメージを受けていくと、気がつけばかゆみと乾燥肌に悩まされてしまうワケです。
静電気の起きやすさは、電荷の移動しやすさに比例します。
そのため、プラスの電荷を持ちやすいものと、マイナスの電荷を持ちやすいものが接触し擦れ合うことで静電気は生まれ、これらの性質が離れているほど、より多くの静電気が溜まります。
以下は衣類に使われやすい物質と、持ちやすい電荷についてまとめたものです。
(プラスの電荷を持ちやすい)
空気
人間
ナイロン
毛皮類
絹
綿
麻
(中央)
ポリエステル
ウレタン
ポリエチレン
ビニール(塩化ビニル)
(マイナスの電荷を持ちやすい)
(中央)の上と下で溜め込みやすい電荷が変わるため、静電気が発生しやすくなります。人間や人毛はプラスの電荷を持ちやすいので、中央より下からは、下に行くほど「静電気を発生しやすいもの」です。
逆に、毛皮類は人間と性質が近いため「静電気が発生しにくいもの」です。
洋服の繊維と着心地について、私の個人的な感覚ですが、紹介しておきますね。
材質ごとの特徴
綿の着心地
・肌触りがザラザラしている
・汗の吸収性、蒸発性は良い
・静電気による肌への負担は少ない
綿の着心地
・肌触りが良い
・汗の吸収は綿などに比べて劣る
・静電気による肌への負担は少ない
綿のほうがザラザラしていて肌触りは気持ちよくないのですが、汗の吸収や蒸発が早くて、着ていて快適な面もあります。
ただし汗をかかないような場面では、肌触りの良い絹のほうが気持ち良いです。
化学繊維(ウレタン、ポリエステルなど)の着心地
・肌触りが良い
・汗を蒸発させにくい
・気化熱による冷却効果が受けられない 暑い
・必要以上に汗をかくため運動するとすぐに汗だくになる
・静電気が起きやすい
化学繊維の場合は、基本的に肌触りが良いものが多いです。
顕微鏡などで拡大して見ると、綿などの繊維は隙間がたくさん隙間があったり形がジグザグだったりするのに対して、化学繊維はまっすぐだったり繊維の隙間が小さかったりするため、引っかかる感覚が少ないのです。
そのため、お店とかで試着をしたときの印象は素晴らしいのですが、繊維の隙間の少なさのせいで、汗の吸収性があまりよくありません。
さらに、持ちやすい電荷の性質が人毛や綿などと離れているものが多く、体毛や下着との摩擦で静電気が起きやすいものが多いのも特徴です。
編みかたや表面のコーティング剤によって、汗の蒸発のしやすさや汗の蒸発のしやすさを変えることもできます。
編みかたを変えて汗の揮発性をよくしたものは、ユ●クロで夏に売り出しているエア●リムなどがありますね。
コーティング剤でいえば、静電気が起きにくくなる洗剤やスプレーとかがあります。
ただし、いずれかの効果が高まると、肌触りや他のメリットが失われてしまう場合が多いため、どれも一長一短かもしれません。
運動と服の素材の相性について
例えば、汗が蒸発しやすい編みかたになっていて「涼しくて快適」という印象の服があったとします。
しかしながら、静電気の起きやすい化学繊維で作られていると、静電気のダメージで肌が炎症を起こしてしまうと、その炎症の熱で熱くなってしまうことでしょう。
皮膚が熱を持っていて、さらに運動で体内からも温まってくると、熱を持ちすぎてかゆくなったりすることがあります。症状がひどくなると、かゆくて運動どころではない場合もあります。
この症状の特に恐ろしいところは、汗の蒸発で涼しくなる効果のおかげで、炎症がひどくなるまで熱の発生に気がつきにくいところです。
ダイエットの指導をしているときに、空気が乾燥してきて静電気が起きやすくなる秋口になると、肌のトラブルの相談も受けていたのですが、ダイエット関係の乾燥肌は食事と服のトラブルがとても多いです。
きちんとたんぱく質やエネルギー、ビタミンとミネラルなどの栄養素を摂るようにして、品質の良い綿の服を着てもらうと、順調に改善していく人ばかりでした。
そして、栄養の偏りや肌の悩みが治ると、運動の楽しさにも気がついてもらいやすいです。
かゆみや服の擦れる痛みがない服、走るときに邪魔にならず軽くて快適な服、ダンスやレッスンで体を冷やさず動きに適した服、こういった服を着ていただくことで運動の快適さが大きく変わります。
気持ちよく運動して、体が綺麗になったり強くなっていくと、運動を習慣にすることは驚くほど簡単です。
楽しそうに運動している人、筋トレや運動の効果が目に見えて現れているがいたら、その人の服装を真似してみるのも良いでしょう。(ただし、デザインや色は多少変えたほうが無難です)
まとめ
運動の継続に服装はとても重要です。
材質だけでも以下のことが変わります。
・静電気の起きやすさ
・汗の吸収性や揮発性
・放熱の性能
・肌触り
個人的には肌や体毛と相性の良い「綿」がオススメです。
服を綿にしても、上着との材質の違いによって静電気が起きることもあります。以下の表を参考にして、静電気を少なくすると良いでしょう。ちなみに、性質の近いもの同士を着ていれば、静電気は起きにくいです。
(プラスの電荷を持ちやすい)
空気
人間
ナイロン
毛皮類
絹
綿
麻
(中央)
ポリエステル
ウレタン
ポリエチレン
塩化ビニル
(マイナスの電荷を持ちやすい)